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高電圧刺激療法(HV療法)の神経生理学的な効果とは?

目次

はじめに:なぜ今、HV療法が注目されているのか?

物理療法の分野では、電気刺激療法が疼痛管理や筋力強化において重要な位置を占めています。
特に、近年注目されているのが**高電圧刺激療法(High Voltage Electrical Stimulation:HVES)**です。

本記事では、HV療法の神経生理学的作用メカニズムを解説し、臨床現場での応用可能性を明らかにします。


HV療法とは? ― 特徴と基本構造

  • 出力:150〜500Vの高電圧パルス
  • 波形:双方向・単相性の短時間パルス
  • 目的:深部神経・筋肉の刺激と疼痛抑制

HV療法の特徴は、「皮膚抵抗を最小限に抑えながら、深部への電気刺激が可能」という点です。これにより、通常の低周波では届かない筋や神経を安全かつ効果的に刺激できます。


神経生理学的効果のメカニズム

1. ゲートコントロール理論による疼痛抑制

高電圧刺激はAβ線維(太く速伝導な感覚神経)を優先的に興奮させます。
このAβ線維の刺激は、脊髄後角にある抑制性介在ニューロンを活性化
し、C線維(痛覚線維)からの情報伝達を遮断します。

🔬 Melzack R, Wall PD. Pain mechanisms: a new theory. Science. 1965.

これにより、即時的な疼痛緩和が可能になります。


2. 内因性オピオイド機構の活性化

中〜高強度の電気刺激により、脳幹・視床下部からエンドルフィン・エンケファリンといった内因性鎮痛物質の分泌が促されます。
この機構はHV療法を繰り返すことで持続的な鎮痛効果を得られる根拠にもなっています。


3. 交感神経系への作用と血流改善

高電圧パルスは交感神経節に間接的な抑制的作用を持ちます。これにより末梢血管が拡張し、患部の血流改善・浮腫の軽減にも貢献します。

  • 関節周囲の筋緊張緩和
  • 慢性疼痛部位の局所循環促進

4. 筋紡錘・ゴルジ腱器官への影響

HVは筋肉内の筋紡錘(伸張反射)とゴルジ腱器官(過緊張抑制)に作用し、筋の再教育やスパズム抑制にも効果があるとされています。


臨床応用:どのような症例に適しているか?

症例神経作用使用目的
坐骨神経痛Aβ線維刺激神経根の疼痛抑制
慢性腰痛内因性オピオイド活性化長期的な鎮痛作用
頸肩腕症候群交感神経調整血流改善と筋弛緩
変形性膝関節症ゴルジ腱器官刺激関節可動域改善と筋制御

トライレクトHVとの相性は抜群

株式会社日本メディックスが開発した**「トライレクトHV」**は、HV療法を核に「立体動態波」「EMS」を搭載。
1台で多角的な神経刺激が可能で、疼痛抑制・筋再教育・循環改善を同時に実現できます。

✅ 立体動態波との併用で深層筋刺激がより効果的に
✅ EMSで廃用性筋萎縮の予防と対応

運営会社情報

株式会社コアサポート北海道(本社)
〒001-0906 北海道札幌市北区新琴似6条12丁目2-3
TEL:011-795-2217
MAIL:ikoro.core@gmail.com
営業時間:平日 9:30~18:00(土日祝休)

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